作家の白洲正子さんが「何もかも吹き飛ばす“天上大風”」と書いていた。
若い頃良寛の書が欲しくてなりふり構わずはいずりまわっていたそうです。
あるとき天上大風にあって釘付けになり、全てが吹き飛んだとか。
私はまだ天上大風は見たことはない。
おそらく天上大風を見ても釘付けになることはないと思う。
私の感覚はそれを理解できるほど成熟はしていない。
しかし、全てを吹き飛ばしていただきたい、という願望はある。
全てを吹き飛ばしたらどんなにさっぱりすることだろう。
残ったものは、私という物体だけ。
あとは何もいらない。
それから、再び動き出す。
来年は還暦。
天上大風となって全てを吹き飛ばし、大空を駆け巡りたい。