またひとり若い人が自ら命を絶った。
亡くなった後に飛び交う。
「暑いのに長袖を着ていたね」
「そういえば、少し暗かったよね」
「おとなしかったよね」
「なんとなく、反応が鈍かったよね」
こんなことは誰にでもあること。
何の慰めにもならない。
もっとも、慰めなんて無意味。
突きつけられた事実に戸惑うばかり。
あとに残るものは、虚無感と無力感。
「いったい、何があったの……」
良寛さんが言うように「ただ抱きしめて、一緒に涙を流すしかない」
……
あとに残されたものは、悲しい出来事から多くのことを学び。
二度とこんなことが起こらないようにしなくてはいけない。
ひとりのカウンセラーとして、力のなさを実感した。
何度かお目にかかっていたのに……。