妻が撮ってくれた一枚の写真がある。
24年前のものだ。
お世辞にもいい写真とはいえない。
だって、私の身体は3分の2しか写ってない。
子供をアングルにおさめたかったからそうしたのだろう。
だから、妻に文句を言うつもりはない。
みんな可愛らしく写っている。
何でこんなに可愛いのだろう、と思えるほどに。
今はもうその面影はない。
24年の歳月が形を変えた。
今思うと「よく育ったな~」というのが正直な気持ちだ。
何処の家庭も同じと思うが色々なことがあった。
それをひとつひとつ挙げるのは止めよう。
結果を見れば充分だから。
写真はいつもデスクの上に置いている。
眺めては、こんな時代もあった、とほくそ笑んでいる。
一枚の写真から我が家の歴史を眺めている。
残念なのはそこに妻がいないこと。
でも妻は、私たちをファインダーから温かく見つめている。
今も!