我が家の義母さんはメガネをかけていない。
裸眼で新聞を見ているときがある。
「見えるんですか?」と聞くときわめて当たり前の返事が返ってくる。
「いっちょん、見えんとよ」と。
それで、ポワロが使っているような虫眼鏡の登場となる。
新聞が燃え出すのではないだろうかというぐらい真剣に覗き込んでいる。
新聞に限らずなんでもそれで覗き込む。
見たいと思ったらすぐそれで覗き込む。
その、覗き込みようがまるで探偵である。
先日などは、レシートを真剣な顔して覗き込んでいた。
そして口元は笑っていた。
面白そうなので、私も覗き込んだら、正真正銘地元のスーパーのレシートだった。
口元に笑みを浮かべて、真剣に見るような代物ではない。
私には逆立ちしても出来るものではない。
それを我が家の名探偵はいとも簡単にやってのける。
それも、真剣に笑いながら。
すごいとしか言いようがない。