いい年をして感傷的になりすぎた。
案の定友達から叱られた。
いつまで、感傷に浸っているのよ!
いつまで悲しんでいるのよ!
いつまで悔しがっているのよ!と。
たしかに年甲斐もないかもしれない。
男らしくないかもしれない。
でも、こればかりは仕方がない。
感傷の波が寄せているうちはどうにも出来ない。
もう少し、波に揺られているしかない。
……
昨夜読んだ仏典にこんなことが書いてあった。
『道を歩いていて足に棘を立て、疼きの中から、疼きを覚えるのは、
もともと定まった心があるのではなく、縁に触れて色々な心となるのであって、……』
定まった心はないのですね。
縁に触れて色々な心となるのですね。
「友が最後に見た風景」という縁に触れて、私の心は色々に変るのです。