遠藤周作の記念碑的大作である。
と、書いたが、私は本の題名すら知らなかった。
知るきっかけになったのは偶然の出会いでからある。
かたろう会(長崎の異業種交流会)に参加したときのこと隣の人と名刺の交換をした。
名刺に有馬歴史研究会・事務局長と書いてあった。
何の研究会ですかと尋ねると「セミナリヨ」。
「なんですか、それ」と無知を気にせず尋ねた。
「神学校(イエズス会の教育機関)!」
1580年ヴァリニャーノが有馬と安土に設立。
聖職志願者の予備教育を行うほか、音楽、工芸なども教えた学校。
安土といえば織田信長の領地。
有馬は島原半島の地方の領地である。
当時、有馬は西欧の文化の漂う国際的な町だったらしい。
「有馬の神学校?」無知を露呈すると。
卒業生に『伊藤マンショ、中浦ジュリアン、原マルチニョ、千々石ミゲル』がいるという。
どこかで聞いたことのある名前?
そう、天正少年使節としてローマに赴いた少年たちである。
切支丹弾圧と迫害のなか懸命に生きた少年たち。
その劇的な生涯を送った1日本人を描いたのが『銃と十字架』である、と教えてもらった。
知ったか振りして『沈黙』もいいですよねといったら、
沈黙より、こちらが良いです私は、と切り替えされた。
で、さっそくネットで古本を注文して読んでいる。
定価460円が1500円也。