私たちは他人に信頼を置くかどうかをどのように決めているのだろうか。
それには、脳内の小さな分子が大きな役割を演じているらしい。
名前はオキシトシン。
オキシトシンは『抱擁ホルモン』とも呼ばれている。
何故『抱擁』?
知りたい方は自分で調べてください。
信頼ゲームによって、オキシトシンの機能を探る実験をした結果、次のことが分かった。
(1)オキシトシンは信頼を強める。
(2)オキシトシンは信頼にこたえる行為を強める。
(3)脳がオキシトシンにうまく反応できないのが、社会性障害の一因かもしれない。
オキシトシンの機能や他の重要な脳内物質との相互作用を更に研究すると、自閉症など社会的相互作用の不全を特徴とするいろいろな疾患について多くのことが分かってくるといわれている。
信じる者は救われる?
これも、結局、オキシトシンの仕業だったと思うと身も蓋もない。
神も、仏もないのだ。
科学的に解明が進むにつれ、人間が味気ないものになっていくのではないだろうか。
「あなたが私を好きなのは、オキシトシンのせいよね」
なんて、言われたら100年の恋も冷めるだろう。
でも、私たちはオキシトシンのお陰で初対面の人とも話しができるのだ。
都会で、見知らぬ人の間を泳ぎまわることができるのもオキシトシンのお陰。
終わりに大人の一口メモ。
「セックスのオーガズムの際には男女ともオキシトシン濃度が急上昇する」らしい。
「だから、なによ」と野暮なことは聞かないでください。