風呂場に誰もいなかったので、仰向けになって天上を見た。
水滴が規則正しく天上に張り付いている。
水滴を見ながら「今日は初湯」だと思った。
今まで何度となく足を運んだが水滴を見たのは初めて。
視点を変えると見えないものが見える。
また、見えていたものが見えなくなる。
水滴が教えてくれた。
1時間半のんびりお湯に浸かった。
重かった腰も上がるころには軽くなった。
外に出ると空気が冷たい。
でも、身体は芯から温まっているので寒くはない。
天気予報によると、明日は日本海側に大雪が降るらしい。
九州はどうだろうか?
空を見上げると闇が支配していた。
今にも闇の目を抜けて綿雪が落ちてきそうだった。