残りのカレーを食べていた。
携帯の着信音が鳴った。
佐賀でホームページを作製している社長さんからだった。
「この前ブログで紹介していたインド料理店にいるよ」
「うまかでしょう」
「うまかうまか」
と言って電話は切れた。
面倒見のいい社長さんのことですから、料理店でここに来たいきさつをたっぷり語って私の宣
伝もしているはず。
そして、さらに、料理のことや、働いているインド人に労いや励ましの言葉をかけているはず。
さらにさらに、この店が佐賀にあることの意義まで語られたかも知れない。
……
カレーの力は恐るべき。
ただ単にカレーだが、その文化力、伝播力は作り出した人間以上。
カレーを通じてさまざまな思い、人種が絡み合いほどよいルーを作っている。
カレーにまつわる物語は数限りなくある。