こころ支援研究所からの*笑顔ブログ*

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ネオテニー

この言葉を初めて目にしたのはモリスの『裸のサル』を読んだとき。
以来、幼稚な人間に対してよく使った。

身体に似合わず、ネオテニーだね、と。

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「ネオテニー」とは、「幼形成熟」のこと。
つまり幼い姿を残したまま成熟した動物を言い当てた生物学用語である。

さまざまな動物で見られるが、有名なのはウーパールーパーである。
他にイソギンチャク類やクラゲ類などにも見られる。

一説によると、人類そのものがネオテニーであるという。
とりわけ日本人は、その外見だけでなく文化においてもネオテニー化が進んだ民族なのかもしれない。アニメ・マンガの発達がそれを象徴している。

私も、どちらかと言うとネオテニーだ。
自分で言うのも何だが、成熟していない。

気に食わないことを言われるとむかつくし。
仕事に対して報酬が低いと不平を言うし。
決められたことは守れないし。
2杯で止めとけばいいのに、3杯食べるし。
メタボ対策に散歩しているけど、続かないし。
その他、数え上げたらきりのないほどあるし。

どうしようもない、ウーパールーパーだ!
by cocoroshien | 2008-08-26 01:32

書き出し

「親譲りの無鉄砲で子どものときから損ばかりしている」
夏目漱石の『坊ちゃん』の書き出しである。

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書き出しで全てを言い尽くしている。
大人になっても無鉄砲は治らない。

「トンネルを抜けると雪国だった」
これも超有名な書き出し。

トンネルは闇、雪国は明
主人公は闇の中をさまよいながら、何かを求めて雪国に向かう。

トンネルと雪国は何かを象徴している。

「トタンがセンベイ食べて 春の日の夕暮れは穏やかです」
中也の『山羊の歌』の「春の日の夕暮れ」の書き出し。

これには、もうついていけません。
ハー、トタン?センベイ?……???

トタンは水平線?
センベイは太陽?
夕暮れ?

夕暮れ、水平線に沈んでいる太陽かな?
詩は、想像力をかき立ててくれる。

「武士道といふは、死ぬことと見付けたり」
これも有名な『葉隠』の書き出し。

誤解を招く書き出しである。
けして、死を賞賛しているわけではない。

「いつも死ぬ気でいれば、足を踏み外すことなく生涯を送ることができる」というのが真意。

……

遠くの方に明かりがぼんやり見える。
まどろみの中に漂っていると、背中に温もりを感じた。
うつぶせになっていた上体を持ち上げ、うっすら目を明けると。
ぼんやりと先輩の顔が見えた。
「幸作君」という先輩の明るい声が心地よく耳に響いた。
心臓は半鐘のように鳴り出した。

時任幸作『見上げてごらん』より
by cocoroshien | 2008-08-25 01:59

信頼のホルモン

私たちは他人に信頼を置くかどうかをどのように決めているのだろうか。
それには、脳内の小さな分子が大きな役割を演じているらしい。

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名前はオキシトシン。
オキシトシンは『抱擁ホルモン』とも呼ばれている。

何故『抱擁』?
知りたい方は自分で調べてください。

信頼ゲームによって、オキシトシンの機能を探る実験をした結果、次のことが分かった。

(1)オキシトシンは信頼を強める。
(2)オキシトシンは信頼にこたえる行為を強める。
(3)脳がオキシトシンにうまく反応できないのが、社会性障害の一因かもしれない。

オキシトシンの機能や他の重要な脳内物質との相互作用を更に研究すると、自閉症など社会的相互作用の不全を特徴とするいろいろな疾患について多くのことが分かってくるといわれている。

信じる者は救われる?

これも、結局、オキシトシンの仕業だったと思うと身も蓋もない。
神も、仏もないのだ。

科学的に解明が進むにつれ、人間が味気ないものになっていくのではないだろうか。

「あなたが私を好きなのは、オキシトシンのせいよね」
なんて、言われたら100年の恋も冷めるだろう。

でも、私たちはオキシトシンのお陰で初対面の人とも話しができるのだ。
都会で、見知らぬ人の間を泳ぎまわることができるのもオキシトシンのお陰。

終わりに大人の一口メモ。

「セックスのオーガズムの際には男女ともオキシトシン濃度が急上昇する」らしい。

「だから、なによ」と野暮なことは聞かないでください。
by cocoroshien | 2008-08-25 01:04

暑さ収まる候

今日は処暑。
開け放った窓から涼風とともに歓声が入ってきた。

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東京にいた頃帰郷する度に楽しみにしていたことがあった。

終点の東唐津駅に降りて、駅前の食堂でチャンポンを食べること。
そして、田舎に帰ってきてかき氷を食べること。

すでに氷屋の小父ちゃんも小母ちゃんもいない。
店も、跡形もない。

出入り口は三つあった。
表口、裏口、そして表口の横を通って入る出入り口。

普通の家で言えば勝手口だろう。
私はいつも勝手口から入った。

ここから入ると氷を削る風景が見えたからだ。
かんな屑のように薄くスライスされた氷は弧を描いて落ちる。
シャリシャリという音がなんともいえなかった。

中に入ると縁台を高くしたようなテーブルと長椅子があった。
メニューは、かき氷・ミルクかけ・金時。
値段は、10円・20円・30円。

今思うと嘘のような値段だ!
それでも小さい頃は殆ど食べる機会はなかった。

夏休みの終わり頃、夕方になると涼風が裏から入ってきた。
歯をガチガチいわせ振るえながら氷を食べた。

そんな情景を思い出したのは、新聞で処暑という字を見つけたからだ。
シャリシャリという音が頭のずーと奥でこだましている。
by cocoroshien | 2008-08-23 14:30

雑感

書店に入った。
買う気は全然なかった。

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書店を出るとき本を手にしていた。
宮部みゆきの『火車』。

この本を買ったのは、訳がある。
書評欄で弁護士が薦めていたのだ。

クレジット・サラ金問題を知りたかったら、この本を読めと。
なるほど、分かりやすく説明してある。

それに、面白い。

盆休みに読もうとテーブルの上に積んでいた本の上に重ねた。
盆休みが終わった今もそのままだ。

オリンピック観戦にはまってしまった。
墓参りに行った以外は、テレビの前にいた。

こんなにはまったのは、初めてだ!
他の事をする気も起こらなかった。

朝から晩までテレビの前にいると、無為に過ごしたような気になる。
このままでいいのかな、と罪悪感さえ起こる。

4年間の苦労が報われる人。
報われない人、さまざまだ。

4年間の集大成が数分で終わる。
数分の為に、血のにじみ出るような練習をこなす。

柔道の鈴木選手のコメントは印象的だった。
何故、力を発揮できなかったのだろう。

それは、誰にも分からない。
自分だけの問題ではない、相手のあることだから。

自己との戦いに勝って、相手との戦いに勝たなければいけない。
相手との戦いに勝って初めて、自己に勝ったことになる。

オリンピックを見ていると、沸々と湧き上がってくるものがある。
4年間、彼らのように打ち込んだら、きっと願いは叶うだろう。
by cocoroshien | 2008-08-19 01:59

散歩

久しぶりに川沿いを散歩した。
土手は野焼きをされ見る影もなかった。

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散歩は脳にいいという。
それは実感できる。

空想の連鎖は途切れることはない。
次から次に湧いてくる。

カウンセリングの目的は何だろうか?

問題解決……ありふれてる。

人生を楽にする……聞き飽きた。

発想の転換……なるほど、いいかも!

変わりたいけど、変われない。
だったら、カウンセリングで発想の転換を。

連鎖
連鎖
連鎖

長崎の地域フォーラムに誘われた。
何故自分如きが!

そう思わざるを得ない。
そうそうたるメンバーを見ていると。

大学教授、新聞社論説委員、元編集局長、長崎テレビ局長等等。
私に何を求めているのだろう。

長崎大学の教授にお誘いを受けたときは、疑問に思った。
何故、何故、何故、と。

皆さんにあって、私にないもの、それは学識。
私にあって、皆さんにないもの、それは愚かさ。

そうそう、あるセミナーで「吉田君、君は本当に頭が悪いよ」と面と向かって言われた。
自分でも感じてはいたけど、直接、面と向かって言われると、いい気持ちはしない。

でも、はっきり言われると諦めはつく。
「俺って頭悪いんだ」と自覚できる。

出発はそれからだ。
悪いなりに、取りえはあるのだから。

それが、フォーラム参加のお誘いに繋がったのだと思う。
人間、何が幸いするのか分からない。

オリンピックが始まった。
高校野球も始まっている。

酷暑の夏が極暑の夏になりそうだ。
by cocoroshien | 2008-08-10 00:36

海外からのメール

初めて海外からメールを頂きました。
東南アジアのタイからです。

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konnitiwa……で始まっていたメールはローマ字表記でした。
たどたどしい日本語でしたが、気持ちがこもっていました。
わずか3年間でよくここまでマスターしたなと思いました。

彼は3年前に日本に来て、研修生として工場に勤務しました。
私が彼と付き合ったのは、最後の1年間だけでした。

彼は、「日本に残りたい」「日本で生活したい」とよく口にしました。
「どうすれば残れるの」と質問したら、方法が二つあるといいました。

一つは日本人と結婚すること。
二つ目は、日本の企業に再雇用してもらうこと。

二つとも叶わずに帰国しました。
好きな人がいて、手紙を出したそうですけど、返事は来なかったそうです。

私に「吉田さん、雇ってくださいよ」と言われたときは、心を動かされました。
でも、我社にはその力はないし、お断りしました。

帰国する前の日、居酒屋に飲みに行きました。
彼は家族のことをとても大切に思っていました。

給料の大半は国元の親に仕送りをしていたそうです。
その話を聞いたとき、古き良き日本のことを思いました。

昔はよくそんな話を聞いたけど、今は殆ど聞かなくなりました。
時代の流れと言えばそれまでですけど、何か寂しさを感じます。
by cocoroshien | 2008-08-09 23:54

今どきの親御さんは

保育園の園長さんの話を聞いた。
小学に入る前までが勝負だ、と言われた。

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園長さんの話を聞いていると、将来に夢も希望もない。
とにかく、ネガティブな意見ばかりだった。
聞いたこちらまで落込みそうな内容だった。

保護者に生活に関してアンケートをとったところ、炊飯器のない家庭がいくらかあった。
当たり前だがその家庭の食事は、外食とコンビニ弁当が多いそうです。
子どもの持ってくる弁当は勿論、コンビニのおにぎり。

作る時間がないのだろうか?
それとも、作るのが面倒なのだろうか?
あるいは、コンビニ弁当が美味しいからだろうか?

睡眠不足の子どもが多いそうです。
本来なら10~12時間の睡眠時間が必要なのに、寝る時間が遅い。
親がいつまでも起きているから、子どもまで起きている。

保育園に来ても10時ごろまでボヤーとしている。
目が覚めるのはそれかららしい。
結果、情緒不安定になり、発達に悪影響を及ぼす。

20年ほど前だったと思う。
新婚家庭の5割以上が包丁を持ってないと聞いた。
今は、炊飯器もないらしい。

これって、どういうことなんだろう、か?
進歩か衰退か?
それとも、別次元のこと。

こんな世の中の風を浴びている子どもたち。
幸福なのだろうか、不幸なのだろうか?
我々に、判定を下す資格などない!

園長さんは「今の親御さんは……」と嘆いていた。
それを聞いた我々も「今の……」と同調した。
それに輪をかけるように、良識有る大人たちが言った。

「今の親御さんたちはどうしようもない」と。

彼らはすっかり忘れている、仕事にかまけて今の親御さんの躾をしなかったことを。
自分の蒔いた種が芽を出したのに、知らぬ振りをしている。

何はともあれ、原因はともかく、現実を見つめる必要がある。
現実の風に晒されている、子どもたちを守る必要がある。
子どもは、社会の宝なのだから!
by cocoroshien | 2008-08-05 02:01