9日は長崎に原爆が投下された日。
それから6日後に太平洋戦争は終戦になった。
原爆がとどめをさしたのだろう。
原爆について語るすべは何もない。
あの悲惨さは、体験した人でないと語れないだろう。
また、語ったとしても意味をなさない。
私は、ただ頭をたれ、耳を傾けるだけだ。
今日、『最後の赤紙配達人』というドラマを見た。
ドラマの途中に体験者の映像が挿入されていた。
淡々と話される体験者の表情に感動した。
感動的に話されるのではなく、淡々と!
淡々と、が余計にこころに響く。
真の体験者はこうなのだろう。
かえって、未熟な体験者ほど大袈裟に語りたがる。
驚いたのは、主人公の配達人が今も健在であること。
現在、104歳だとか。
「お元気ですね」とアナウンサーが言ったら。
間髪をいれず「ありがとう」といわれた。
その言葉の、爽やかで、明るかったこと。
戦時中、艱難辛苦の中を生き延びてこられた方とは思えなかった。
……
今年、被爆者の叔父がなくなった。
叔父も、被爆者の悲惨な体験を深刻に語らなかった。
爽やかに、語った。
そうでも、語らなければ、生きていけないのだろう。
……
私たちは、頭をたれ、耳を傾けた。
それを、未来に語りかける必要がある。
淡々、と!