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こころ支援研究所からの*笑顔ブログ*

幼馴染

田舎に小学生のときからの友達がいる。

そいつとは、不思議な縁があるのか、帰郷する度に道ですれ違う。

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先日も母を見舞ったあと山にブラリと出かけた。

葉が色づきはじめている。

道脇の雑木のなかに柿の実がなっていた。

誰も盗る者がいなくて寂しそうだ。

我々が小さいときは、色づく前に争って盗ったものだ。

芯だけが甘くて、周りはまだ渋かった。

渋いところをかぶりついては吐き出し、甘いところだけを食べた。

こんな感じで、柿は熟す暇さえなかった。

ところが今は、誰も盗るものはいない。

木上で熟したあと、地に落ちるか、鳥に食われるだけである。

それではあまりにも惨めなので、盗ってやることにした。

3個とってポケットに突っ込み、かじりながら山をぶらついた。

やはり、天然の味は違う。

光をあびた味がする。

懐かしい味がする。

……

かぶりつきながら、山道を登っていた。

天上から光線が一本の棒のように射し込んでくる。

人影はまったくない。

当たり前である、こんな所にいる訳がない。

中腹まで行ったとき、前方からトラックが来た。

車のドアを開けて、「ヤ~」という声がした。

友達が窓から身を乗り出してきた。

例の、不思議な縁のある友だった。
by cocoroshien | 2009-11-10 22:56
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