電話相談をするようになって気づいたことがある。
ある一線を越えると悩みの次元が違うと。
うつ病歴20年、統合失調症と境界性人格障害もあります。
このように冒頭から病歴を言う人がいる。
手首を切っては縫う生活をしてきました、この3ヶ月は安定しています。
冒頭からこんな話しをされたら返す言葉もない。
あいづちをうつだけである。
話しが詳しくなっていくにしたがい、ああ~この方の苦しみは次元が違うと思う。
それを20年にわたって体験されているのだ。
しかも、先に灯りは見えない。
何にも見えない。
真っ暗闇の中を先に……
この人たちの悩みに較べたら「100年に一度の大不況」も取るに足らない。
すごい、ちっぽけな悩みに過ぎない。
次元がまったく違う。
比較にならないほど……
……
……
……
でも、こんな人でもたまにすごい人がいる。
話すだけ話されて「まんざら悪いことだけでもないのですよ」という人がいる。
そんな精神的に過酷な地帯に生活しながら「生きる意味」を見出している人がいる。
生きるか死ぬかの瀬戸際を彷徨しながらである。
こんな話しを聞くと「ああ~すごいな~」と思う。
私は天邪鬼だから成功者よりも、こんな人がすごいと思う。
たしかに、社会からはじき出されて社会に貢献はしていないかもしれない。
でも、針の筵の上で生きる意味を見出すのは並み大抵ではない。
誰でも出来るものではない。
……
何処の世界でも異次元の世界がある。
時空の織り成す世界は広い。
ただし、心を向けないとその世界は永遠に分からない。