新緑の候
お元気ですか。
と、葉書にしたためたくなる季節になりました。
桜の花も半分ほど散りました。
かわりに新芽が吹き出しています。
新芽を見ていると癒されるのはどうしてでしょう。
まるで、未熟なものには人を癒す力が宿っているようです。
色といい、形といい、その質感といい、すべてに厭らしさがありません。
見ているだけで心地よくなります。
特に質感はなんともいえない、言葉に表せないほどのものがあります。
今にも破れそうな表皮に包まれた水分。
あの、ふっくらとした質感は何なのでしょう。
貧弱な語彙では説明できないものがあります。
でも、成長するにつれ表皮が硬くなり、たくましくなっていくに従い魅力がなくなっていきます。
まるで、成長にしたがって魅力を失っていくようです。