東京にいた頃よく山に登った。
浅間山は2回登った。
1度目は兄と従兄弟の3人で。
2度目は高校の友人と。
2度とも天国と地獄を味わった。
浅間山は単調な山である。
下から見ると稜線がスーと延びている。
木もなく特に道らしい道もない。
ただ、上に向かって歩いていけば頂上に着く。
麓を歩いているときは穏やかな天気だった。
ところが、頂上は吹雪だった。
手袋を外した瞬間に手がガチガチになりシャッターも押せないほどだった
遭難するかと思った。
急いで下に下りてくると穏やかな天気で、お日様がまぶしく、温もりがなんともいえなかった。
あの温もりは何だろうね。
一寸説明がつかないくらい心地よかった。
あの温もりは体験しないと分からない。
……
其の浅間山が噴火をしたようだ。
私の中にある残像は、噴火口から白い噴煙を上げている浅間山だ!
日々刻々変わっているが、残像は変わらない。
脳の中に何枚の残像があるのだろうか?